レプトスピラ症(ワイル病) Leptospirosisについて

ハワイで淡水水遊びをするときのリスク

 

せっかく楽しくカヤックツアーを計画されている方たちを前に、ネガティブな情報を出すのも気が引けるのですが...大切なことなので掲載します。

 

「ハワイでは淡水に入らないように!」という警告を聞いたことありませんか?

 

水が美しいハワイのイメージとは裏腹に、ハワイではレプトスピラ症(leptospirosis)、別名ワイル病という感染症を引き起こす有害バクテリアが淡水(河川・池等)に存在している可能性があります。

 

この事実、頭の片隅に留めておいてください。 

 

ハワイのオプショナルツアーでは、滝壺での水遊びや用水路を浮き輪にのって運ばれていくという、淡水でのアクティビティがあります。

 

当サイトで紹介している、ワイルア川のカヤックツアーも、Secret Falls(秘密の滝)でスイミングが出来ますし、トレッキングでは素足で川を渡ります。

 

当然、危険性が無いと判断されてのツアー催行なのでしょうが、どこの淡水でもリスクはゼロとは言い切れないと思います。

 

特に、2018年4月中旬にはカウアイ島北部(プリンスビルやハナレイ方面)では大洪水による冠水被害がありました。

 

レプトスピラ症は洪水の後、さらにリスクが高まりますのでより一層注意が必要です。

 

下記は我が国在外公館医務官からの情報です。

1) 感染症

 ハワイ州の川や淡水湖では,レプトスピラ症の感染リスクがありますので,川や湖での水遊びは控えるべきです。 

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/n_ame/honolulu.htmlより

 

以下、 レプトスピラ症とは。厚生労働省検疫所より 

どうやってうつる

レプトスピラ症にかかっている動物の糞や尿で汚染された土壌や水が、体の傷や粘膜に接触することによってうつります。特にネズミが多い場所では、レプトスピラ症にかかったネズミの糞や尿からうつる可能性が高くなります。急流のラフティングやカヤック、湖沼での水泳など、水関連のレクリエーションでうつる可能性もあります。特に洪水などのあとに危険性が高いです。

症状

2日~3週間の症状のない期間のあと、頭痛、発熱、悪感、筋肉痛、吐き気、下痢や腹痛などが現れます。皮膚に発疹が現れることもあります。重症になると体が黄色くなり(黄疸)、いろいろな臓器の機能がおかされます(ワイル病と呼ばれます)。ワイル病になると死亡することがあります。

治療

抗生物質の投与が行われます。早期に行う必要があります。

カウアイ島旅行者によるレプトスピラ症懸念

 

 ▼トリップアドバイザー Kauai Travel Forumより

上記を見ると、カウアイ島に行く旅行者たちの中には、不安を抱いている人がいる様子がわかりますね。

 

当サイトにお越しの方へ

 

さて、私たちがカヤックツアーに参加したのは2018年4月の洪水のわりとすぐ後でした。

 

そして、ツアー中には滝壺でスイミングもしましたが、レプトスピラ症には感染してません。

 

だからといって、「あなたも大丈夫!!」と言い切ることは残念ながら出来ないのですよね...。(水に入るのは自己責任で!と簡単に切って捨てるのもモヤッとするのですが...)

 

ハワイでは過去に、レプストピラ症で命を落とすケースもあったようですが、個人的には適切な診断・処置をすれば過剰に恐れる必要はない!というスタンスで淡水アクティビティに参加しました。

 

つまり、診断までの時間が運命を分けるので、いざおかしい...となったら早めに医療機関に相談する。そして、適切な処置を受ける ...を実践する!つもり...

 

注:現地の風土病なので現地の医療機関の方がいいです!

 

 

もうひとつ重要なこと。

 

レプストピラ症は潜伏期間が長いです。これ絶対覚えておいてください!

 

2日~長くて3週間くらい無症状も珍しくないのです。

 

これ知らないと症状が出ても事前のハワイ旅行が原因だなんて気付けません。

 

そして、もし、帰国後日本で医療機関に受診することになったら、自ら「ハワイで淡水に入ったこと」「レプトスピラ症ではないかと思っていること」を積極的に伝えましょう。

 

日本では何も情報を与えないと、単なる風邪と診断される可能性がありますので。

 

(沖縄ではレプストピラ症の集団発生した事例もあるようですが、日常的に馴染みのある医師は少ないと思います)

 

当サイトにお越し頂いたあなたには、事前にこの感染症のことを知り、運悪く現実に直面したとき、

 

(そーいえば......)

 

と、せめて気付きのきっかけとしてもらえたら幸いです。

 

当然、Bestは万が一が起こらないことであることは言うまでもありません!